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​ご挨拶

平成25年度(2013年度)国土交通省広域的地域間共助推進事業として

スタートした「協働型災害訓練in杉戸」。

2011年3月11日、東日本大震災発災。
中越地震に学び、震災3日後に駆けつけたすぎとSOHOクラブ、
阪神淡路の経験を活かし、震災当時2500団体を束ねていたNPO埼玉ネット、
震災直後から避難者を受け入れた埼玉県杉戸町、
全町避難を余儀なくされ、平成30年の帰町を目指す福島県富岡町、
震災の翌年に帰還宣言を行い、復興の先頭に立つ福島県川内村、
この5者で構成された協議会が主催となり開催されています。

東日本大震災で多くの経験と教訓を得た私たち。
その私たちが次にすべきは来るべき首都圏災害に備えること。

 

杉戸は首都圏から40kmの位置にあり、災害の少ない地域です。
東日本大震災のように海岸沿いの被災では、
NPOをはじめとした内陸からのきめの細かい援助が可能でした。

 

しかし、首都圏災害が起こったとすると、
人口比も東北のそれとは著しく異なります。
同心円状に被災エリアが広がり、
細かい援助では到底炎を消すことができません。

まさに私たちの想定を超えることが起こり得るのです。

 

この大規模災害に対応するためには、
ここ杉戸にあらゆるものを集め、
幾重にも重なる炎にバケツで水をかける感覚で、
多くの命を救わねばなりません。

 

そのために必要なのが、
1970年代に米国の大規模な山火事に対応するために考えられた
ICS(アイシーエス(インシデント・コマンド・システムの略))。

 

指揮命令系統を一元化し、
対処すべき役割と部隊を明確にして、
刻一刻と変化する災害に対応するのが、このICSです。
米国の消防士は必ずこのICSを学ばねばなりません。

だからこそ、多くの人が集まってもどんな災害にでも対応できるのです。

 

そして、行政が動き出すまでには必ずタイムラグがあります。
それは法律を遵守し、公共の守護神である組織の宿命です。

だからこそ、市民やサードセクターの私たちが初動対応することが、
動き出した行政に的確にバトンタッチすることが重要なのです。

だからこそ、私たちは震災で活躍したNPOを中心に、
このICSのリーダー研修をはじめました。

 

彼らがICSを学び、地域に持ち帰ることで、
その知識や考え方が広く浸透し、
来るべき大規模災害時、集った皆がICSを知っていれば、
より効率的な組織運営で災害に対処でき、
たくさんの命を救うことにつながると考えたからです。

毎年、その想いに共感する多くの団体に参加して頂いています。
その数、2日間でのべ100団体近く。
いつもご参加いただき誠にありがとうございます。

「杉戸でこんな大規模なことをしているなんて知らなかった」
以前取材に訪れた直木賞作家の天童荒太さんにも言われました。

確かにPRが下手でローカルイベント的な私たちです。
でも、続けることが何よりも大切だと思っています。
年に一度でもこの場所で顔を合わせ、時間と想いを共有し、
「普段づきあい」のできる「顔見知り」になることが大切だと思っています。
天童さんの記事にもある通り、「つながることは備えること」なのです。

 

災害が起きた時に「ああ、大変そうだな」と
何処か他人事として捉えるのではなく、
「大変だ!あの人どうしただろう?」と
自分にとって身近なこととして捉えることこそが、
何にも代えがたい力を発揮し、
手を差し伸べる力になるのだと思います。

 

一昨年は訓練の様子が7時台のNHKでも放映され、
多くの方に存在を知っていただくことが出来ました。
今年はさらに多くの方が参加し、想いを共有していただけたらと思います。

引き続き協働型災害訓練をよろしくお願いいたします。

杉戸町・富岡町・川内村地域間共助推進協議会
​一般社団法人協働型災害訓練

直木賞作家​天童荒太さんとの出会いはこちらからご覧ください →

これまでのストーリーはこちらをご覧ください

内閣官房「国土強靱化サイト」に掲載されました! →

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